誠信高校では、3年次に生徒一人ひとりの進路実現に向けて「相談相手」となる先生がつくチューター制度を導入しています。チューターは担当する生徒の状況を把握し、各教科担当や担任と連携。的確なサポートで目標実現を支えます。見事、希望の進学を果たした実践例を、3組、ご紹介いたします。
卒業生
前田 颯太さん
普通コース(特進クラス)
先生
齋藤 雄基先生
英語科
私が志望したのは、愛知大学の英語学科でした。受験勉強について齋藤先生に相談したところ、過去問選びや英語での面接練習などを手厚くサポートしてくださいました。
昨年度も同学科の受験者を担当したので、その経験も活かし、前田くんをサポートしました。一緒に過去問に取り組んだり、面接で想定される質問内容を確認したりしましたね。
齋藤先生の過去問添削には詳しい解説もついていて、とても勉強になりました。ほかの生徒対応で忙しい中、面接のアドバイスをいただき、自信を持って本番に臨めました。
英語での面接には不安もあったと思いますが、前田くんは私のアドバイスをすぐに吸収し、みるみる上達していくので、安心して見ていられましたよ。
一番落ち込んだのは、出願条件にある英検になかなか合格できなかった時です。特に不得手な英作文が心配で、このままだと推薦を受けられなくなると焦っていました。
前田くんの努力を知っていたので、何としてでも合格してほしいと私も必死でした。どんなテーマでもきちんと答えられるよう、英作文の添削を繰り返して乗り越えましたね。
授業後の補習や長文・面接対策など、丁寧なご指導が本当に心強かったです。英検2級に無事合格できたのは、先生が側で寄り添い、励ましてくれたおかげだと思っています。
偶然にも私の母校を受験すると知り、教え子が後輩になってくれたら嬉しいとの思いから指導にも熱が入りました。その気持ちが前田くんの心に響いていたなら何よりです。
前日まで受験対策をしてくださり、「ぜひ私の後輩になってください」というメッセージまでいただきました。その一言は、試験当日のモチベーションにつながりました。
必ず合格を勝ち取ってくれると信じていたので、合格の知らせを聞いた時は、自分のことのように嬉しかったです。決して諦めず、努力を重ねた甲斐がありましたね。
この3年間、担任として前田くんの成長を見てきました。積極的に英検を受験し、自主的に英語の勉強に取り組んでいましたが、志望校の出願条件である英検2級の壁はかなり厚く、合格点に届くまで悔しい思いもしたでしょう。それでもくじけず頑張る姿は、本当に立派でした。大学ではさらに英文法を深掘りし、実践的な英語力を養えます。大好きな英語を存分に学び、さらに活躍してくれることを期待しています。
卒業生
西村 奏翔さん
普通コース(特進クラス)
先生
渡邊 浩之先生
数学科
大学入試の自己推薦書を作成するにあたって何を書けばよいのかまったくわからず、渡邊先生に相談させていただきました。部活動の顧問でもあるので、とても相談しやすかったです。
西村くんにはアピールポイントがたくさんあるので、スラスラと書けましたね。優しい人柄や諦めない心、何事にも努力を惜しまない姿勢。どれを取っても自慢できる長所です。
面接練習では、さまざまな先生にご指導いただきました。ただ、いろんな角度からアドバイスをもらい過ぎて、どの点を面接官にアピールしたらよいか、少し混乱してしまいました。
確かに当時は、自分が見えなくなっていましたね。でも自分の意見をちゃんと持っていたので、「この大学で学びたい」という熱意が面接官にも伝わったのだと思います。
面接の悩みに関しても、渡邊先生のアドバイスのおかげで解決できました。どんな困りごとにも親身に寄り添い、導いてくださる先生の存在は、本当に心強かったです。
私のアドバイスで迷いが晴れたのならよかったです。
進路に迷っていた時も、先生に助けていただきました。3年生進級間近になって当初志望していた理系から文系へと進路を変えることとなり、驚かれたのではないでしょうか。
生徒が決めた道を尊重し後押しするのが、私の役目です。たとえ急な進路変更でも、西村くんの適性を考えて幅広い選択肢を提案するまでです。気持ちが固まって安心しました。
ギリギリの進路変更にもまったく反対せず、すぐに私が志望する大学の情報を教えてくださいましたね。勉強の進め方に関してもご指導いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
私に相談しに来た当時に比べると、今の西村くんには自信がみなぎっていますね。人前でも堂々と話せるようになって感心していました。安心して次のステップへ送り出せます。
部活動の顧問として、意欲的に練習に取り組む姿を見てきたので、受験でも努力の成果を発揮して合格の朗報を聞かせてくれると確信していました。西村くんの高校生活を振り返ると、常に高い目標を設定し、それを達成するために強い気持ちで努力し続けていたことを思い出します。大学でも努力を継続し、自らが描く夢の実現を目指して頑張ってください。これからもずっと応援しています。
卒業生
満身 創さん
普通コース(普通クラス)
先生
塚田 静香先生
地歴・公民科
先生に見ていただいたプレゼン資料はまだ下書き段階でしたが、伝えるポイントを絞って重要な箇所をピックアップし、整理して丁寧なアドバイスをくださいました。
実は、満身くんが作成したプレゼン資料の完成度の高さにとても驚いていたんです。私も知らなかった内容ばかりで、書籍をしっかり読み込んだ努力にも感心させられました。
夏休み中になんとか仕上げたいと思っていたので、補習担当としてお忙しい先生となかなか予定が合わず、正直いって焦ったこともありました。
着実に完成に近づいていることを、満身くんにわかってほしくて、限られた時間の中でも、気になった点はすぐ共有し、その日のうちに解決することを心がけていました。
補習前のスキマ時間や昼休みなど、いろいろと工夫して時間を作っていただいて感謝しています。お昼ご飯のおにぎりを頬張りながら、完成を目指したことが忘れられません。
疑問に感じたことを調べまとめる基礎力があったので、伝えたいことを言語化するだけだったと思います。昼食を準備してくださったお家の方にも感謝しなければいけませんね。
もっとも頭を悩ませたのは、プレゼンの最後をどう結論づけるかでした。一番重要なポイントなのに、なかなか良いアイデアが浮かばず、かなり苦労したのを覚えています。
伝えたいことは明確でも言葉にするのは難しいもの。でも苦労した分、頭の中で描いていたことを言葉にできた時は本当に嬉しかったでしょう。職員室でも盛り上がりましたね。
「話しながらだと思いつくよ」という先生のアドバイスで肩の力が抜けたことを覚えています。雑談を織り交ぜて会話するうちに、ようやく自分の思いを言語化できました。
満身くんらしくプレゼンすれば、「奈良大学に入学したい」という強い気持ちは伝わると信じていました。力を出し切って、念願の合格を果たしましたね。本当におめでとう。
「奈良大学に入学することが小学校時代からの夢」と目を輝かせて語っていた満身くん。夢を叶えるお手伝いができて嬉しく思います。教師と生徒として関わったのはこれまでの人生のほんの一瞬ですが、彼の好奇心に寄り添う中で、探究心を育てることの大切さを改めて実感しました。これからも自分らしく大学生活を謳歌し、本を出版したらぜひ私にも送ってください。その日を心待ちにしています。